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モデムの動作期間と回線速度 | 運営ノート

モデムの動作期間と回線速度

ADSLを12Mbpsに変更して以来、しばらく経つと回線速度が1/10以下に落ちてしまいます。 しかし、モデムを再起動するともとの回線速度に戻ります。 調べてみると色々と面白いことがわかりました。 「モデムを長期間動作させ続けると回線速度が落ちる」という都市伝説にはちゃんとした理由があったんですね。

ADSLの回線速度はモデムを起動したときの状況に合わせて決まるのだそうです。 具体的には、起動すると、まず、「ハンドシェイク」と呼ばれる一定のやりとりを収容局(フレッツ・ADSLなら最寄のNTT)と行ない、リンク(*)を確立します。 そのあとに「トレーニング」と呼ばれる動作で、そのときのノイズなどの状況に合わせて安定可能な回線速度を決定します。 以後、通信はそのときに決定した回線速度で行ないます。 重要なのは、この回線速度はモデムを再起動するかリンクが切れない限り永久に変わらないという点です。

さて、なぜ、回線速度は落ちるのかという話です。 例えば、我が家の場合、電話の着信時にリンクが切れてしまいます。 屋外に設置されている保安器が問題の機種なのでしょう。 NTTに言えば交換して改善できますが、8,000円も出して直す価値があるのかというと、いっそのことFTTHにしてしまうのが潔いというか、なんというか。

話が逸れましたが、とにかく、電話の着信時にリンクが切れるのです。 モデムはリンクが切れると、まもなく、再度、ハンドシェイクとトレーニングを開始します。 しかし、そのときの状況はリンクが切れてしまったほどの極めて痛い状況です。 くどいようですが、回線速度はトレーニング時の状況に合わせて決定します。 劣悪な状況でトレーニングを行なうと、本来のポテンシャルとは無関係に極端に遅い回線速度に決定します。 そして、その回線速度は次にトレーニングを行なうまでは変わりません。 状況が改善しても、遅い状態を引きずります。

以上、ADSLの回線速度が落ちる理由でした。 「長期間の動作」自体はさほど問題ではなく、問題の正体はADSLの仕組みそのものでした。 結局、「適当に再起動する」という定石に変わりはありません。 しかし、その目的は「ノイズの除去」ではなく、最適な状況における「再トレーニング」でした。

リンク
私も誤解していたので補足。 リンクとは、プロバイダとのPPPoE接続のことではなく、モデムを起動した瞬間に確立される収容局との接続のことです。 PPPoE接続を切断しても、リンクを切らなければ回線速度は変わりません。

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